いい年なのにテレビっ子!

テレビの感想や芸能ネタなどのつぶやきリポート

あなたには帰る家がある 木村多江が中谷美紀の家に家庭訪問し、玉木宏がユースケ・サンタマリアに殴られ階段から落ちる

今週は、木村多江がなんと朝っぱらから中谷美紀の家を訪問します。

木村多江、中谷美紀、玉木宏が勢ぞろい。娘の前で、木村多江は玉木宏との関係を暴露します。パニックになる娘。

中谷美紀が娘をなだめ、玉木宏と一緒に木村多江を追い出そうとしているところにユースケ・サンタマリアが乱入。

玉木宏を殴ります。こりゃたまらんと外に逃げる玉木宏。「あなた、やめてー」と木村多江が玉木宏を追うユースケ・サンタマリアを止めようとします。

しかし、止めることはできず、玉木宏はマンションの外階段から転げ落ち、ケガをします。大騒ぎ終了。ちゃんちゃん。

このシーンで評価できたのは木村多江の演技のみ。玉木宏が自分を愛していると信じて疑わず、玉木宏に家事をさせている中谷美紀を責めます。

あのいっちゃってる感じはとっても良かった。このドラマでおいしいのって、ダントツに木村多江ですね。

今週はユースケ・サンタマリアも「さすが」といった感じの演技力を見せていましたが、やっぱり木村多江がおいしい。はまり役ってわけでもないんですけど、うまいです。

このドラマ、ちょっとわちゃわちゃさせすぎですね。リアル感がゼロになってきた。コント感が強すぎるし。

今週の修羅場といい、先週の両家族が一緒に温泉旅行といい、話題になるようなものを作って数字につなげてやろうという意図が強すぎて、楽しめません。

「あり得ないよねー」で話題にして数字につなげるというのもわからなくないけど、そればかりだとまともな視聴者が離れてしまいます。

もうちょっと路線を正してほしい。

中谷美紀と玉木宏の夫婦はつまらないので、ユースケ・サンタマリアと木村多江の夫婦にもっとクローズアップしてほしい。こっちの夫婦のほうが断然おもしろい。

今週、ユースケ・サンタマリアは木村多江に「帰ってこい」と泣きつきます。

「謝れ」「もっと自分たちに奉公しろ」みたいなことを言いながらも、多江の前で跪くユースケ・サンタマリア。

偏屈な男の涙をうまく表現してました。やっぱりユースケ・サンタマリアって演技がうまいんですよね。

しかし、それを上回ったのは木村多江。ユースケ・サンタマリアに感謝の言葉をのべながらも、玉木宏への愛を語りはじめます。

ユースケ・サンタマリアのことは「一度も愛したことはない、最初から」といい、「アイロンをかけたシャツを着てほしいのはあなたじゃない」とあくまでも玉木宏を選択すると宣言。

「これまで幸せでした」などと口にしながら急転直下の展開です(こうなると思って見てたけど)。

ユースケ・サンタマリの「誰のために食えてきたんだ」ってあのセリフ、絶対に言っちゃだめですよね。器の小ささを証明。自分で結婚を選択したのに、これを言っちゃー台無しです。

「家事労働っていくらになるかご存知?」

多江はこれぐらい言い返してやればよかったのに。

「意地の悪い姑もセットだったし、安くありませんよ」

これぐらい言える女だったら、こんなふうに複雑な爆発の仕方なんてしなかったんでしょうね。

この期に及んで玉木宏がまだ自分を愛していると思える木村多江は妄想の激しい女性です。

自分に都合のいい解釈で突っ走れる女ともいえる。

ユースケ・サンタマリアに抑圧されながらも、多江は心のどこかで「いつか王子様が・・・」みたいな幸せな妄想を抱いていたのかもしれない。

だから、あんなに過酷な日常に耐えていたのかも(もっと違う何かの妄想をしてた可能性も大)。

そんなところに飛び込んできたのが玉金なわけです。飛んで火にいる夏の虫ですよね。

単なる我慢強い女なら、玉金の愛が偽物だったことを納得し、再びユースケ・サンタマリアの元に戻ったはずです。

でも多江の場合はそうじゃなかった。このドラマの木村多江のキャラって、やっぱりちょっとモンスターちっくなんですよね。

その多江のモンスターぶりにあまりにも頼りすぎる展開がどうなんだろうって感じになってきてます。

今週、もう一点気になったのが、父親の不倫を知った娘のぱにくりぶり。

あんなに混乱する?

中学生だよ。あんなに弱い?

自分だったら・・・と置き換えると、あんなに混乱したとは思えないのですが、育った家庭や環境が違うせいか。

おかしなことは多少感じとっていただろうし、「あー、そーゆーことか」と納得する点もあるかと思うんですが、鈍感ちゃんだったのかな。

無菌培養しすぎたんじゃないんでしょうか。

両親を聖人君子のように思いすぎてます。あのまま大人になったほうが危険だったような気がします。

この事件で少し大人の階段をのぼったほうがいい。

ユースケ・サンタマリアのところの息子をすこし見習ったほうがいい。おかしな家庭に育ったのに、立派にその「おかしさ」を咀嚼。

折り合いをつけていい子に育っている。

あれぐらいじゃないと大人になったときに、上手く世のなかを渡っていけません(でも、リアルな話をすると、あんなに特殊な環境で育つと、人生に転ぶ可能性が大です。普通に育った人たちとうまくやれずに、アウトサイダーな生き方をしてしまう)。

しかし、このドラマ、原作そっちのけですね。こんな内容だったかな。絶対に違うと思うけど。

これじゃ、タイトルだけ原作からもらいました、みたいになるんですが、いいのか?

ちなみに山本文緒の原作はおもしろかったです。

ドラマみたいに、ざわざわわかりやすくトラブらなかったはずだし、もっとリアルな心理描写をしていた。

このドラマいまいちだなーと思った方も、原作は楽しめるかもしれませんので、どうぞ読んでみてください。


あなたには帰る家がある (角川文庫)