高嶺の花 苦悩する石原さとみ、荒む芳根京子

俄然面白くなってまいりました、高嶺の花。

せっかくおもしろくなったのに、ちょっと遅かったか。どれぐらい視聴者が戻ってくるか、新たな視聴者を呼び込めるか、気になります。

でも、数字が悪くてもいっか、盛り上がってきたから。

今週から投入された大貫勇輔を見て、このドラマに何が足りなかったか、よくわかりました。

それは圧倒的なオス感とヒール感。

それらを大貫勇輔が満たしてくれて、ドラマがキュッと引き締まりました。

なんというか、恋愛ものでもあるのに、圧倒的にオスフェロモンに欠けてたんですよね。

大貫勇輔はがたいもいいし、顔もいいし、声もいいし、フェロモンたっぷりです。そのくせ、品もあって下品ではない。

顔や目の表情といい、声の抑揚といい、わざとらしくなく微妙な変化でセリフや場面に適したものを落とし込んでくる力はたいしたものです。

このドラマはこけても、大貫勇輔はこのドラマをきっかけにドラマに進出してくると思います。

悪役も純粋な役もできると思う。

今回は３つのシーンで出てたのですが、威厳ある二代目も、ゲームセンターではしゃぐ少年のような感じも、苦悩する石原さとみを惑わそうとしているシーンも、どれも別の人物のように雰囲気を変えて完璧に演じてました。

演技の幅がひろい。

石原さとみはこのドラマで「何やっても同じ」みたいな批判が出てましたが（そうでもないと思うけど）、それとは真逆な芸域の広さ。

また、絶妙な目つきを演じることで、圧倒的なクセも表現していました。

不気味なヒール感がたまりません。

それにしても、あんなにやばい目つきを瞬時にできるなんて・・・ほかには斉藤由貴ぐらいです。

男性では珍しい。

さて、大貫勇輔のべた褒めはここまでにして、他の出演者も今週あたりからだいぶエンジンかかってきたなという感じ。

千葉雄大は芳根京子を裏切り、こころが揺るぎます（傷つけたのに気になる）。

それをせせら笑ったのは、峯田和伸を引きずるあまり、思ったように華道の能力を取り戻せないで苦悩する石原さとみ。

このドラマで下品だ、何だと批判を受けた石原さんですが、ここにきて落ち着いたしっかりとして演技力をみせています。

やっぱり基本的にはうまいんだって。

でもって、今週いちばんイメージを変えてきたのが、千葉雄大に裏切られた芳根京子。

母、戸田菜穂が千葉雄大と不倫していることを知り、たいそう荒れますが、父、小日向文世に励まされ華道家として立ち上がろうとします（しかし、この一連の裏切り劇の黒幕は小日向文世）。

芳根京子ってかわいらしいイメージなのに、陰のある役のほうがはまりますね。

今週、ちょっと荒んでてこっちのほうがいいなと思った。まだ二十歳前後で若いのに、ちょっと心配な感じですが、女優力が高いのでしょう。

意外でした。

でもって、久々に出ていた香里奈ですが、相変わらずのさばさば女子を演じてました。

ま、イメージには合っている役です。でも、新鮮味はゼロ。

あえていうなら、声がちょっと低く太くなってましたね（加齢？）。前から声はよくとおる人でしたが、磨きがかかった感じ。

でも、女優としてステップアップしたというほどではないし・・・今後に期待です。

来週以降、ますます芸術家っぽい感性をメインに扱うであろう高嶺の花、いっそ常人は理解できないぐらいの振り切った内容にしたほうが視聴者も楽しめるかもしれません。