映画、昼顔 久しぶりの上戸彩の自転車の立ちこぎ&平山浩行の意外な役にびっくり
終盤、良かったですね。
伊藤歩のちょっぴり狂った演技は良かったです(自動車を運転しながら、斎藤工と無理心中)。
伊藤歩「どうしてあの人(上戸彩)なの?」
斎藤工「わからない・・・」
伊藤歩「答えになってないっ!(確かにそうだけど・・・)」
で、アクセルぐいーんで夏の空に二人は飛んでいったのでした(伊藤歩だけ生き残る)。
茶化して書きましたが、「どうして私じゃないの? あの人なの?」っていうセリフは平凡だけど、平凡ゆえに皆が感じたことがあることで、ちょっとぐっときました。
こーゆー質問って不毛。
渦中にいるときは(必死になりすぎてて)わからないんですよね。
冷静に考えると、なんとなーくなんですよね。理屈じゃないし、理由もない。好きなんてそんなもの。
そんないい加減なものだから、自分より劣る(と思ってしまう)誰かにとられたり、自分より優れたものから誰かをとれたりするんですよね。
斎藤工を失った後、上戸彩が警察で暴れますが、あそこが上戸彩の見せ場でしたね。
悪くなかったです。でも、最後のほうがイマイチだったな。
なんかやせすぎてて、へろへろに見えてしまったんですよね。
もうちょっと芯がないと、動きがおかしく見えてしまう。
それはラストも同じで、線路のうえをふらつく上戸彩が細すぎて、なんかやばかった。
好きな人を失ったショックというより、別の何かが滲み出ていた。不健康すぎたかな。
ま、それは気になるほどでもなかったです。
映画は全体的にドラマよりヘビーでしたね。
でも、脚本家や監督がドラマより、より自分が表現したいものを表現したといった感じがしました。深かった。
ドラマでは吉瀬美智子が華やかさやポップさや疾走感を出していましたが、上戸彩だけだけど、ポップさやスピード感がなく、ちょっとだらけた印象もありました。
でも、映画のテイストにはそっちのほうが良かったかな。
さて、意外だったのは平山浩行の役どころ。
上戸彩に惚れて、斎藤工ととりあうかと思いきや、なんと不倫の末に逃げた女房と上戸彩を重ね、上戸彩に個人攻撃です。
なんてちいさい男。
そして、迷惑。でも、このおもしろい役が平山浩行にちょっとはまっていた。
「いろんな人泣かせてるのに、あの人がとか奥さんがとか、気持ちよくしゃべりたおしちゃだめよ」みたいなセリフを上戸彩にかますんですが、あれが良かった。
このセリフ、不倫被害者の一番言いたいことかも。
脚本家の力の入った部分だと思われます。
あれ以上言葉が乱暴だと、子供っぽくなるんですが、最後の「ダメよ」が大人の男をにじませていた。いきがってなかったよね。静かに怒ってる感じ。
あそこがお姉っぽくなったら、それはそれでまずんですが、そんな脇道にそれることもなく終了。
普通に上戸彩に惚れる役だったらつまんなかったと思うので、平山浩行の役はあれが正解だったんだと思う。
しかし、平山浩行、普通にかっこいいよね。
あと、序盤に上戸彩と斎藤工が再会するのですが、上戸彩ののったバスを斎藤工が追うシーンもべたなんだけど良かったです(このときは結局すれ違い、会えない)。
よくよく考えると、序盤(再会)、中盤(上戸さんたちが燃え上がる&伊藤歩や平山浩行さんたちとのごたごた)、終盤(斎藤工の死→上戸彩、ショックでへろへろ)っていうふうに、ちゃんと構成されていましたね。
きちんとまとまりすぎな感じもしますが、時間を感じさせないつくりでした。
ドラマも良かったけど、映画も大満足です。
バッドエンドが一部に不評だったようですが、もう続編は作らないぞ、今回に賭けたぞって意欲も感じられたし、個人的には好きな終わり方でした。