黄昏流星群 これいつの時代?みたいな古さがかえって沁みる大人の物語&泣けそうで泣けないところを畳みかける平井堅の歌声
第一回目はじっくりと佐々木蔵之介の転落(エリート銀行員が倉庫会社に出向)&苦悩の様子を描いてました。
大人の男のシリアスな状況を描くドラマなんてとんとご無沙汰だから、かえって新鮮だった。
古~いタイプのドラマだけど、それがかえって新しく見えました。タイミングって大事よね。
数字は7%台と微妙でしたが(もうちょっとあっても良いと思うけど)、内容は骨太でしっかりしてました。
でも、やっぱり数字をとりたいなら、もう少し古さを排除したほうが良かったかも。
しかし、そうすると芯のない内容になるので、ここは数字を度外視しても内容をとってほしい。
蔵ちゃんは人生最大の挫折をして、スイスへ一人旅します。そこで出会ったのが同じように一人旅してる黒木瞳。
悩める蔵ちゃんは「いま自分が欲しい言葉」を口にしてくれる瞳に一瞬でぞっこんになります。
まさかのスイスでぞっこんLOVE。
しかし着火の早すぎた蔵ちゃんは、強引に瞳を求めてしまい、瞳から逃げられてしまいます(瞳からしたら旅のいい思い出でしょう。旅先でいい男に求められる、そして逃げる私・・・甘酸っぱいメモリーです。松崎しげるの歌とか頭で流れそう)。
そんな二人が東京(というか神奈川)で再会。二人のストーリーが転がりはじめます。
あらすじとしてはそんな感じ。
スイスまで行く必要あったかな。長野の山奥とかでもよかったんじゃない?
エーデルワイスを蕗の薹とかに変えたら全然いけたじゃん。スイスの無理矢理感がなぜか気になりました。
佐々木蔵之介&瞳以外に、中山美穂&藤井流星の出会いもありました。
中山美穂は娘の巣立ち(結婚)に喪失感を感じる毎日。夫とは不仲ではないけど、ばっちり距離があり、心は通ってません。
娘の世話、家事、ときどき友人(八木亜希子)とのお茶、そんなふうに日常を埋めてたミポリンですが、娘の結婚話が持ち上がり、今後発生するであろう心の空白におびえています。
裕福なんだけど、娘以外の楽しみはなく、どこかうつろで自信のない主婦に中山美穂が意外にはまってました。
ミポリンの不安定な感じを十二分に利用して、幸せなはずなんだけど、どこか危なっかしい主婦ができあがっていました。
しかし、この中年女子(リアルな苦労をしらない分、どこか女子的です)のどこに惹かれるのか。
女を見る目がないのか。ルックスは完璧なのに・・・そんなイケメンとして藤井流星が投入されています。
この方、ほんとにきれいな顔をしてますね。ハーフ? かと思ってしまいます。
でも、妹はイーガールズ。ってことは、純日本人ですね。日本人もここまできたか・・・
このドラマ、意外にいちばん共感を得やすいのは中山美穂ですね。ターゲット層が広いというか、共感できる層が一番厚い。
エリートから転落の蔵ちゃんに感情移入できる人は少ないし(でも、中年サラリーマンはあんなに華々しい挫折はないけど、ちょっとした挫折ならみんなあるから、自分に重ねるかな)、親の介護で自分の幸せをふいにした美人(黒木瞳)に感情移入できる人も少ないでしょう。
一番ありがちなキャラは中山美穂です。
そして、このミポリンが踏み出すのが娘の婚約者との恋。
欲求不満の中年女子の心の隙間を埋めてくれるような夢のような展開です。はまる人、結構多いと思うんだけどな。今後の視聴率の上昇具合が気になります。
あと、内容としては泣けそうで泣けない・・・という惜しい感じなんですが、結果的にはみんな泣かされるはず。
なぜなら主題歌は平井堅だから。
泣けそうで泣けないところをぐいっと押し込んでくるのが平井堅の歌声なのです。結果、3割の脚本の力不足をばっちりカバーしてくれます(泣ける)。
「平井堅ってやっぱりすごいなあ」
最後の感想はコレでした。
昔はドラマの主題歌=必ず売れるでした。今はそんな状況は全くありません。
でも、ドラマの主題歌ってほんとに大事ですよね。