中山美穂、織田裕二に鈴木保奈美 かつての視聴率俳優をそろえ、フジテレビが40代50代をとりにいく
配信数はすこぶるよい、テレビ離れしている若い視聴者層をとりこめている・・・
恋仲などの月9の視聴率がよくなかった時期のフジのお偉いさんのコメントです。
新しい視聴者層を開拓しているから、表面的な数字(視聴率)はどうでもいいんだ、みたいな逃げを口にしていたのに、新ドラマではそういった姿勢は一気に改めるようです。
結局は数字がとれないとなんの意味もないと思い知らされたということでしょう。数字=商売だからね。
ということで、月9や木10にかつてのドラマスターを一気に投入してきました。
視聴率をとるぞ!(40代以上の数字をとるぞ!)という意気込みを感じます。
まずは月9ですが、織田裕二と鈴木保奈美を投入。
この二人の共演を話題にしようとしていますが、それほど「共演」に魅力はないかと思います。
しかし、織田裕二が内容の良いドラマに出るとなると、そのことを歓迎する層は厚いと思う。
ここ数年、織田裕二はドラマ自体から離れているし、かつての内容の良いドラマみたいなものへの出演もできていない。
なので、織田裕二が出るおもしろいドラマとなれば、数字はある程度とれると思います。
鈴木保奈美に需要があるかといえば、これは謎。
鈴木保奈美さんあたりの年代の女優さんって意外と層が厚くて(たとえば、鈴木京香とかちょっと年下だけど高岡早紀とか)、鈴木保奈美がそこまで突出した存在かなと思ってしまう。
ただ、鈴木保奈美はこのところ自分の一番強みであるキャラの高飛車キャラを演じてないように思います。
これをべたべたに織り込んだ役をやれば、人気復活に勢いがつくのでは? と思います。
で、注目は月9ではなくむしろ木10です。
中山美穂が不倫(?)する主婦役で出てきます。
復帰後の民放のちゃんとしたポジション(メインに近いポジション)のドラマは初ではないでしょうか。
いろいろごたごたありましたが、やっぱりある程度の底堅い需要があることを証明したミポリンがついに大復活のきざしです。
ドラマ「黄昏流星群」の主演は佐々木蔵之介で、その不倫相手は孤独な女性というポジションで出てくる黒木瞳です。
メインはこの二人であることは間違いないんですが、そう思って予告編をみると「あれ?」という違和感が・・・
佐々木蔵之介の妻であり、娘の婚約者と恋仲に落ちる(そうです)中山美穂にずいぶんクローズアップした内容になっているんです。
短い予告編の中身ばミポリンでいっぱいになっている。瞳のご機嫌が心配になってきます。
予告編からして(予告編だけなのかな?)、ミポリンを推そうという強力な意図が感じられました。
それはミポリンの役柄が一番わかりやすく衝撃的だからかもしれませんが、なんだかんだいって中山美穂はまだまだ需要があるからそこに賭けたいというフジの狙いなんではないでしょうか。
キョンキョンが休業中の今、その穴を埋めるのはミポリンがふさわしいというのもあるはず。
バーニングはキョンキョン退社後は内田有紀を推すなんて記事も出てましたが、それにはなにか違和感を感じました。内田有紀もいいんだけど、そうじゃないだろうって。
でも、ミポリンとなるとしっくりきます。
キョンキョンと同世代のドラマスターってやっぱりミポリンなんですよね。
あと、このドラマの役柄がミポリンにばっちり合いそうだというのもある。
中山美穂ってママはアイドルみたいなコミカルな役でも人気を博していましたが、本領を発揮するのはラブレターで演じたようなしっとりした、ちょっと憂鬱さのある役なんです。
年を経て、さらにこの傾向は強まっています。
なので、きちんとした家庭での大人しい主婦ながら、娘の婚約者としてはいけない不倫に迷いながらおちていくという役柄はばっちりはまるはず。
期待が高まります。
この数年は、BSやWOWOWのドラマを中心に出演していたミポリンですが、その演技力も顕在です。
平成細雪では、四人姉妹の長女で、ちょっと難しい老け役を見事に演じていました。
注目度は低い仕事だったかもしれませんが、昔の勘みたいなものはきっちり取り戻しているんだなという感じはしました。
さて、中山美穂、織田裕二、鈴木保奈美の三人に共通するのは、安定した演技力と何をやっても同じわけではないけど、何をやってもその人のキャラがある程度滲むといったところです。
昔の人気者ってだいたいそんな感じ。ちゃんと個性があったんですよね。
今はカメレオン俳優みたいなタイプが好かれ、個性を消すほどの演技力が称賛されますが、それでは「その人である意味」はなくなっている。
脇役には求められることかもしれませんが、主演(=スター)には求められることではないと思います。
そういったスター性をきちんと兼ね備えている女優、俳優を復活させることで数字をとろうとしているフジテレビですが、その戦略はうまくいくのか。
「高嶺の花」のようなドラマがある程度の成功をおさめている(古いタイプのドラマの良さが見直され始めている?)今なら、ひょっとして予想以上の成果をたたき出すかもしれません。