この世界の片隅に 仙道敦子の違和感のなさに驚くばかり
初回をやっと見ました。
内容よりなによりとにかく驚いたのは超久々なのに画面に出ていることに全く違和感がなかった仙道敦子。
昔の面影を残しずつ、年相応に老けていて(といっても実年齢を考えたら十分に若く見える)、一般人として生活していたのに華は失っておらず・・・
不思議すぎる。
演技もほんとに久々なのかと疑ってしまうほどに抜群。
多数の女優、俳優とからみながら妻、母、娘のキャラをなんなく演じてました。
とっても見やすい演技。なんというか、変なクセがないんですよね。素直な人なんだと思います。
あの雰囲気で性格悪かったら意外すぎて、それもそれで素敵かも。
さて、ドラマの内容ですが、思った以上にメルヘンメルヘンしていて驚きました。
映画の評判で、そんなに戦争戦争してないという予備知識はあったのですが、それにしてもゆるい内容。
なにがゆるいって、あの時代に「運命の出会い」みたいな出会い方をした男女(幼い頃に共に人さらいに連れていかれそうになり、ともに逃げた)が結ばれるというあり得ない設定がゆるすぎる。
ガバガバです。
でも、そんなゆるい物語を成立させていた松本穂香の雰囲気と演技力はすごい。
あんな天然の役をすると、わざとらしくみえたり、ぶりっ子にみえたり、あざとく見えたりするもんですが、彼女にはそれはありません(主観です)。
もちろん馬鹿にもみえなかった。
他の若い女優がやったらボッコボコに叩かれていた可能性あり。
大抜擢は大当たりというところでしょうか。
松本さん、ちょっと竹内結子に似てますね。鼻にクセがあるところも一緒。
あとすごいと思ったのは、当時の雰囲気を再現したセットや当時を思わせる風景の切り出し(一部はCGなのかな?)。
お金がかかってると思った。
NHKの朝ドラより精巧じゃないですか?
そう、このドラマ朝ドラを連想させるんです。
一週間分を総集編で見てる感じ。狙ってるのかな。
今やってる朝ドラが現代劇だから良かったものの、朝ドラでも時代がかっていたものをやっていたら、かなり雰囲気が被ったと思います。
他に気になったこととしていは、松坂桃李が身体検査の結果、事務の仕事にまわされたという設定。これには無理を感じた。
当時、あのガタイなら相当いい方だろ。
尾野真千子は小姑として松本さんをいじめるようです。
いじめ役、いびり役としては年齢的に早い。
尾野真千子はいじめ役はしないほうがいいと思うな。おいしいキャラと思って受けたんだろうけど。
たぶん裏目に出ます。彼女がやると、ほんとに性格が悪そうだったりきつそうだったりみえてしまうと思う。
戦争があった時代、でもほんわかしてるというのが狙いのドラマだし、小姑のいじめがちょっと凄惨すぎるというのはNG。
日曜の夜にみたいもんじゃない。
あと、村上虹郎がちょいちょい松本さんと絡みますが、この関係は後々いかされてくるんでしょうか。
松坂桃李が死んで、第二の夫とか、そういった設定があるの?
このあたりはちょっと謎ですが、チョイ役だとしたらちょっと村上虹郎の印象を強くつけすぎたと思います。
あと、現代のシーンで榮倉奈々が出ているんですが、彼女こそ(背は高いものの)戦争時代の雰囲気にぴったりな(地味めな)方だと思います。
モンペ姿が見れなかったのが残念。
戦争時代にも穏やかでつつましい人々の生活があったということを描きだすこのドラマ。
内容は起伏に乏しいですが、そのぶん表現は丁寧だし、金のかかったセットや厳選されまくったであろう当時をにおわす風景を眺めながら見るのが楽しいドラマです。