テレ朝の深夜ドラマ、Dele 本多孝好テイストのよくできたドラマ。菅田将暉、麻生久美子、山田孝之の組み合わせもGOOD
帰省したりなんだりでバタバタしてても、ドラマは普通に進行してますね。当たり前ですが。
ということで、Deleです。
原案は本多孝好先生ですが、四十代・五十代、またそれ以上うえの年代の方はわりと知っている方も多い作家さんです。
その昔、本をたいへんたくさん売った方なのです。つまりベストセラー作家ですね。
出版不況で本が動かなくなっても、それなりに部数を稼いでいたはず。
しかし、時代の流れはなかなかに厳しいものがあるようで、ついにテレビ界に進出です。
これまでも書いた本が度々映像化されたこともある先生ですが、今回は脚本を手掛けた回もあるようで、だいぶテレビに寄ってきたなという感じ。
これはそれほど珍しい話ではなく、本の世界からテレビの世界に転身した方といえば、有名なのは金城一紀先生。
こちらのほうがパイオニア。
直木賞までとっているのに、なぜテレビ界にと本の世界からは批判も出そうですが、おもしろいドラマにたくさんかかわっています。
CRISISとかアクションものをたくさん世に出しています。
そんな金城先生、Deleにも少し関わっているようです。
本多先生と金城先生は交流があるようなので、このあたりの関係もちょっと透けて見える。
そんな前置きはさておき、Deleですが、とてもよくまとまっていておもしろいです。
トリックはあまり複雑ではなく、事件の謎解きでは人間ドラマに重きを置いています。
重かったり、ほろりとさせたりもあり、まさに本多孝好テイストです。
古くから変わらない安定感。このテイストが好きな人が多かった(いまでも多いであろう)んですよね。
出演者は山田孝之、菅田将暉、麻生久美子の三人がメインというかレギュラー。
あとは一回ごとに事件が解決していくお話なので、ゲストの俳優さんたちが出演します。
山田孝之、菅田将暉、麻生久美子の組み合わせは意外にも良くて、とくに山田孝之と麻生久美子の兄弟感は絶妙。
ぜんぜん似てないんだけど、天才プログラマー(?)の山田孝之と有能な弁護士の麻生久美子が絡んでいると、なぜか家族感が出る。
似てても家族感が出ない俳優さんたちもいるので、こればかりは始まってみないとわからない相性なのでしょう。
その二人に絡む菅田将暉もしっかり二人に絡みついていて(相性が良い)、シーズン2なのかなという安定感がある。
メインのキャストが違和感なくマッチしているので、話の内容に集中することができるのはとても良いです。
ちょっと物足りない点をいえば、思ったよりアクションがないこと。序盤は結構菅田将暉が飛んだり跳ねたりしてたんですが、徐々にそういったトーンはクールダウンしてきました。
やりすぎるとあれだけど、なければそれで寂しい。
そんな感じがします。
あと、あらすじがわかりやすく、変なひねりがないのはいいのですが、若干あっさりしすぎなところもあります。
これはひねりすぎると、本多孝好テイストが崩れるし(つまりドラマの良さが薄れる)、難しいところですが、もうひとひねり欲しかったという回もあります(コムアイの回とかね)。
とはいえ、全般的にはよくまとまっていて、時間が経ってみても色褪せない内容だと思います。
テレ朝のこの枠ってほんとにいいドラマをもってきますよね。
ゴールデンタイムは平凡(といっては失礼ですが)な刑事ドラマで埋めてますが、こうったところでちゃんと勝負ができるテレ朝のドラマ部はほんとに強いと思いました(おっさんずラブのヒットもあったしね)。