ツバキ文具店 多部未華子と倍賞美津子が激しい取っ組み合い。代書のルールも面白く、ペットを飼ったことがある人は泣かされちゃう内容
ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~ 第一話「奇妙なお悔やみ状」
ということで、NHKの新しいドラマです。第一回、視聴してみました。
主演は多部未華子。多部ちゃん、情熱的な演技をする方ではないですが、何をやってもやりこなしてしまう演技上手は相変わらずです。
今回はわりと普通の女子の役で難なくこなしています。
びっくりしたのは、祖母、倍賞美津子との取っ組み合いのシーン。これが結構激しいんです。
多部ちゃんは若いからいいのですが、倍賞さん、大丈夫でしょうか。
着物を着て身動きがとりずらいのに、若く軽装の多部ちゃんとやりあうのは、見てるほうはドキドキしてしまいます。
しかし、倍賞さんは強かった。多部ちゃんがなぎ倒されたりしてましたね。
実際の喧嘩の強さはわかりませんが、展開としてはあっちのほうがほっとできます。
多部ちゃんが倍賞さんをなぎ倒したのでは、見てるほうは暗くなります。
ドラマは代書屋(誰かの代わりになり手紙をかくこと)をテーマにしています。
代書屋さん、昔はあった職業のようですが、今はどうなんでしょう。
なくなりつつある(もしくはなくなってしまった)職業なんでしょうか。
一通の手紙が人の人生を左右するといったような内容のセリフやモノローグがばんばん出てきます。
たしかに昔はそうだったのかもしれない。手紙の重さは今とはわけが違うと思います。
今は安いメールがばんばん飛び交う時代になりました。
メールが人生を左右することなんてないですもんね(面接の合否を知らせるものとか、そーゆーものは人生を左右してるのかもしれないけど、それとはちょっと違う。あとメール一通で恋人にふられたとか、そーゆーのも違う)。
代書のルールも面白かったです。
お悔みの手紙を書くときは墨が濃くなってはいけない(硯に涙が落ちて墨が薄まったという意味合いをふくめる)から、墨はいつもとは反対に左回りにするとか、フォーマルな手紙は二枚重ねの封筒を使うが、お悔みの場合は、不幸が重ならないように一重のものを使うとか、納得させられるものでした。
思わずうなずいてしまった。
さてストーリーですが・・・
代書屋の祖母、倍賞美津子に代書屋になるべく幼いころから厳しく訓練され続けた多部未華子。
その厳しさにストレスがたまり、高校生のときに爆発します。
祖母と喧嘩を繰り返すようになった多部ちゃんは、高校卒業後は祖母(鎌倉)から離れ、東京に出ます。
倍賞さんとは仲が悪いまま、会うこともなく、八年が過ぎます。
そして、倍賞さんが亡くなり、多部ちゃんは久々に鎌倉に戻ってきます。
ちなみに、多部ちゃんの母親も家を出ており、多部ちゃんには母の記憶がありません。
倍賞さんの葬式を終え、多部ちゃんは鎌倉の家を処分するつもりでいたのですが、代書の依頼が入ってきます。
強引な依頼人に押し切られ、ペット(サル)のお悔み状を書くことになった多部ちゃん。
ペットなら・・・と適当な手紙を書き、依頼人を激怒させてしまいます。
書き直す前にと、お悔み状を送る相手の家を偵察に行く多部ちゃん。
そこで、家主に招き入れられ、サルを亡くした夫婦の悲しみに触れます。
気持ちを入れ替えて新しい手紙を書く多部ちゃん。
その手紙を依頼人は気に入ってくれます。また、その依頼人は初めてのラブレターを祖母に依頼した人。
依頼人の夫はそのラブレターの相手で、「あなたのおばあさまのおかげで私は幸せな人生を送れた」と多部ちゃんに話します。
第一回はそんな感じ。
全体の内容はおもしろかったのですが、手紙の内容はいまいちでしたね。
そこは難点でした。
子供のできない夫婦がサルをかわいがり、そのサルも夫婦の愛情にこたえるように、弱い心臓を鼓舞して長生きしたエピソードは、お涙ちょうだいとわかっていても泣かされる内容でした。
人間関係や仕事に疲れた会社員が職人にあこがれるのは、ゆる~い妄想です。
たんなる現実逃避。
職人的な仕事をするには、かなりの鍛錬や訓練が必要で、プロの技術の習得はとてもとても大変なこと。
倍賞美津子が多部未華子に文字の書き方などをスパルタで仕込むシーンにはそれが表現されてました。
どんな仕事も大変。
逃げ道の先にある仕事なんてないんですね。
ちょっと反省(職人になりたいな~とか、思ったことあります)。
あと、気になったのは、八年ぶりに町にかえってきた主人公にみんな温かすぎる。
地域(近所)の人たちがみんなあんなにいい人で優しいなんてファンタジーです。
ドラマだからいいけど。ぎすぎすした人間関係(ご近所の)を見せられても困るし。
多部ちゃんが上地雄輔の幼い娘に自分のことを「ポッポちゃん」と言ったときは、何言ってんの? って思ったんですが、役名が鳩子だったんですね。
一瞬多部ちゃんを責める気持ちになった自分を反省です。
高橋克典、奥田瑛二、不思議なご婦人に江波杏子、上地雄輔に片瀬那奈(一話には出てきませんでした)と、脇も豪華なこのドラマ。
意外とじみ~にヒットするかもしれません。