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砂の塔、最終回 これだけのプロットがありながら、刺さるセリフなし

途中までいらいらしました。ごちゃごちゃしているし、描き方が急に雑だし。

肝となるプロット(あらすじ)の部分が刑事の会話でさらっと流されたり(録画じゃなかったら意味不明で流してたかも)、ここまでひっぱったのにまとめがそれでいいの? って感じ。

この一話、二話かけてやる内容だったのでは? 

バランスが悪い。大事なところが早回しで、どうでもいいところが長尺で、構成がおかしいとしかいいようがない。

このドラマ、そもそもプロットを大事にしたいんでしょうか? 人間ドラマを描きたいんでしょうか?

ココリコ田中が急にたくましくなって話をまわしはじめたり、ん? ってところが随所に目立ちました。

ドラマだからある程度仕方ないけど、物語のあらすじを支えるために、無理に出来事をぶちこんできたり(最後の火事とか)するので、あ~あって見ててなります。

最新のタワーの火事とか、常識的に考えるとあんなふうになるまえにあっさり鎮火です。

警報装置がすぐ作動するからね、最近の集合住宅は。

あと最上階の火事って、意外に他の部分に影響しない。

高層タワーのママ友カーストを描くために、横山めぐみ家族を最上階に住まわせていましたが、それが災いしましたね。

まあ、それはどうでもいいですが。

それより人間の描き方が問題。

横山めぐみにが急に人生お金じゃない、みたいになって、「やり直すわよ」と子供の手をひき家を出ていきますが(そして火事発生)、極限まで追い詰められた人間があんなふうに改心なんて絶対にしない。

夫に裏切られた直後だというのに。すぐに前向きになんてならない。

このドラマの決定的な問題って、複雑なプロットを組み立てることはできているのに(ちょこちょこ破たんがあるが)、人間が全く描けてない。

刺さるセリフもないし、性善説にもとずいた人物設定になっているので、最後はみんないい人、めぐり合わせが悪かっただけで悪い人なんていないってオチになってます。

あと親子の情愛に頼りすぎ。

時代にも逆光してるし(親子の関係ってどんどんフラットというか、フレンドリーになってますよね)、そのあたりの違和感がなんだか見ててもどかしかったです。

繰り返しますが、刺さるセリフがないというのはドラマとしては致命的です。

親子愛を描きたいのに、その部分がしっかりしてないのはまずい。

ドラマの中で繰り返し「女は嘘をつく・・・」という部分がありますが、あれもしっくりこなかった。

全くうなずけなかったですね。

あーゆーモノローグの部分に脚本の力が出ます。

フジでやっていた昼顔とか、ドラマのジャンルは違いますけど、めちゃくちゃうまかったです。

といいつつも、ラストのくだりは楽しめました。

岩ちゃんが犯人とわかりはじめてからのシーンですね。

岩ちゃんはいわれているほど大根だとは思わないけど(急に人気でると、こんなふうにたたかれますよね)、今回の役はさすがに荷が重かった。

菅ちゃんや菜々子様に混じって演技すると、やはり力不足が露呈してしまいます。

菅ちゃんや菜々子様はこの難しいラスト(あまりにも役者の演技力に頼りすぎ)をさらっとこなしてましたね。

信頼と実績、さすがのお二人です。

菜々子様のラストの演技力はさすがでしたね。

結局、菜々子いい人じゃんってゆー物足りなさはありますが、まあ、さすがの女優っぷりでした。拍手。

でも、やっぱりラストのパートもセリフ力というか、そういったところに不足を感じました。

セリフ量とかは多すぎるぐらいだったけど(量の問題じゃない。質が問題)。

量が多いってゆーのは、それだけひとことでずばっと刺さるセリフが書けていない証拠かもしれません。

菅野美穂の松嶋菜々子に向けたモノローグとか、もうちょっと何とかならんのかいって思いました。

なんというか、直球すぎるというか、まっすぐすぎて人間っぽくないんですよね。

別にひねたこととか、毒のあることを無理に言わさなくてもいいですけど、なんというか・・・

そういった物足りなさを感じながらも、ドラマとしてはよくできていたと思います。毎週楽しんで見れましたし。

最終回、結構視聴率がいったような気もしますが、どうなのでしょう。

来週結果が出るはずのなので、楽しみにウォッチしたいと思います。


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