いい年なのにテレビっ子!

テレビの感想や芸能ネタなどのつぶやきリポート

宮崎のふたり 柄本明&原田美枝子、森山未來&池脇千鶴の二組の男女が描かれる。地方発ドラマなのに素晴らしいクオリティ

安達奈緒子の脚本が素晴らしい。終盤、泣けます。原田美枝子に泣かされます。

ということで、柄本明と原田美枝子の熟年夫婦(原田美枝子はボケている)、池脇千鶴と森山未來の若いカップルの4人がメインキャストです。

しかし、池脇千鶴とか森山未來ってめちゃくちゃうまいですね。不器用で真っすぐな二十代のカップルをばっちり演じてました。

でも、いくら宮崎でもあんなにピュアなカップルいないって。

そして、柄本明と原田美枝子も文句なくうまいです。

とくに終盤の原田美枝子の演技(回想シーン、ボケる前の原田美枝子が柄本明とやりとりをします。ボケる前に書いた「手紙」を通じて)は泣けた。

正直、序盤はつまらなかった。

なぜか宮崎に一人で旅行にきた柄本明がいらいらとタクシー運転手の森山未來(都落ちのUターン青年。自分の選択に納得してはいるが、忸怩たる思いも抱えている青年を森山未來が見事に演じてました。「鬱屈」が滲んでいた)に絡み続け、なんじゃこりゃって感じです。

視聴をストップしようかと思うほどだった。

でも、ここはこらえてスルーしたほうがいいです。中盤からの展開は素晴らしいです。泣けます。お涙頂戴じゃんっていえなくもないけど、でも、それでもきっちり落とし込むことができてるんだから素晴らしい。

話は簡単で、引退した仕事人間(家庭をかえりみなかった)柄本明が、ハネムーンで来た事のある宮崎への旅を通じ、ボケてしまった妻・原田美枝子の大切さを改めて痛感するというお話。

そこに、結婚するかしないかで揺れている若い地元のカップル、森山未來と池脇千鶴が絡んでいきます(この二人は結婚することを選びますが、池脇千鶴の夢もあって、遠距離結婚? 恋愛? することになります)。

原田美枝子がボケる前に旦那に手紙を書いてるんですが、その内容が泣けるんです。

あなたは勝手でいつも私のほうなんて見なかったけど(恨みもあるとも書いてある)、ときどきこっちを振り返って、鼻の穴をひろげて、褒めてって顔をする。

そうされると、必要とされていることを実感できて、私は幸せだった・・・みたいな内容なんですが、この手紙の内容が大袈裟でなく、でもさりげなさすぎもせず、絶妙。

まあ、それが狙いの内容なんだけどね。

でも、そこに落とし込めるのがすごいと思った。狙ってもなかなか落とせない穴なので。

すごい高度なテクニックで書かれた本を、さりげなく演じている役者さんたちも、みなスキルが高かったです。

地方発のNHKドラマのほうが、民放のドラマスペシャルよりよっぽどクオリティが高いってどういうこと?

お金をかければいいものができるってわけじゃないんですよね(製作費、安いってきめてかかってるけど)。


潮風とジャガイモと泣きじゃくる二人