黒革の手帖 現代風にアレンジした脚本が素晴らしい
脱税医院長、奥田瑛二(前回は小林稔侍)の古株の愛人(前回は室井滋)は高畑淳子なんですね。
なんだかきれいすぎるような。
あの役って、ブスで地味じゃないとダメなんじゃ・・・
さっそくキャストにケチをつけたところですが、内容は良かったです。
何度映像化してもおもしろいですね、このドラマ。
しかも、今回脚本のアレンジが素晴らしかったです。
現代風にうまく脚色されていました。
武井咲は昼も夜も派遣で安く使われる毎日。
過去も暗く、親の借金を必死に返済しています。
そんななか、コネ入社正社員のポカ(SNSで客のことをつぶやき問題に)をかぶせられ、派遣を首になります。
そこで、武井咲はプッツンときれ、銀行に集まっている脱税を逃れた汚い金を横領します。
そして、あっという間に金の力で銀座にクラブをオープン・・・で、二話につづく。
どこからどうみてもかわいそうな立場の武井咲が、横領することで、周囲のおっさんたちを脅し、ひれ伏させていきます。
この様子は、まあ、予想通りの展開なんですが、やっぱり楽しい。
武井咲が昼夜の派遣で世間から搾取され、過去も悲しくて、濡れ衣を着せらせ首にもなり・・・って感じで、視聴者は彼女の横領をすっかり応援する立場に。
「やれ~、やってやれ~」って気になる。
この設定、流れがうまかったです。
脚本が優秀。
いまや働く人の半数は非正規です(たぶん)。
政府の発表する数字は弱めなものを出してますが、現状はあんなもんじゃない。
政府のアンケートに答えてる層ってだけで、数字はゆがんでるし。
発表の数値も弱めに出るように操作してるとしか思えない(集計なんて切り口や条件でなんとでもなる)。
それぐらい現状とかけはなれた数値が発表されています。
派遣などの非正規の割合が「どえらい高い数字」が出るのは政府や議員にとって、良くないですもんねえ。
そんななか、こんなテレビをやったら、みんな非正規の立場の武井咲に応援したくなります。
とゆー狙いで書かれてるかは謎ですが、この設定は良かったです。
何度も映像化してるから、アレンジも重要ですよね、この作品。
とゆーことで、武井咲ですが、意外と悪女ははまってました。
高い声も封印して、低い声を出していましたね。
これは良かったです。
いつものキャンキャンした声だったら、台無しだったでしょう。
米倉涼子の元子とどうしても比べてしまいますが・・・やっぱり米倉涼子のほうがはまるよね、そりゃあ。
でも、武井咲も悪くないと思いました。
見続けようと思った。
ひどかったら二話目以降はパスしようと思ってましたが。
他のキャストで気になったのは、仲里依紗。
武井咲のライバルとなっていくようです。
仲里依紗の蓮っ葉な役には期待できます。
武井咲、食われるんじゃないの?
そんな感じがします。
ちょうどいいタイミングで何度も映像化する黒革の手帖。
今回もテレビ朝日の手腕で、おもしろくなりそうです。