就活家族 木村多江が改心して三浦友和をサポート。ありえない逆転人事でめでたしめでたしか?
な~んかつまんない感じになってきましたね。
新井浩文は実はいい人ってオチが見えてきたし(遠くにだけど)、木村多江は先週までは家庭をぶち壊しかけたくせにあっさり改心して、今週は三浦友和を強力サポートだし、ここまで勧善懲悪にやられるとさすがに白けます。
確かに昨今のドラマは勧善懲悪なものが好まれるし(たぶん現実逃避的な視聴者心理を反映して)、世の中ほんとうに悪い人なんていないというストーリーにしたほうがウケがいいのかもしれませんが、さすがにこれじゃおとぎ話がすぎます。
現実的な突っ込みを入れると、転職経験もない(職歴のきれいな)大手企業の管理職経験者(しかも海外事業の経験があれば英語もできるでしょう)だったら、たとえ50代であろうと転職先は見つかります。
そのあとの転職に失敗して(それも二、三社)、はじめてテレビの友和のような状態になるはず。
いくら不景気といえども、あれだけのキャリアのある人物。ちょっとクセのある前科(セクハラ)があっても、一回ぐらいは許してもらえるはずです。
友和をめぐるストーリーはどんどん現実離れしているので、諦めるとしましょう。
で、他の家族ですが、長男の工藤阿須加はここんとこ出番が少なくなり、長女の前田敦子とその彼氏、渡辺大の登場が増えています。
弟の工藤さんは内々定を得ますが、前田敦子はイマイチ。就職は決まりそうになりますが、月給十万という厳しい条件を突き付けられ、尻込みします。
そんななか結婚に逃げようとしますが、彼氏の渡辺大にも介護が必要になりそうな家族の存在が発覚し、こちらも問題なしとはいきません。
前田敦子に深刻ではないけど、わりとリアルな問題(薄給だったり結婚を考えている彼氏の家族の問題あったり)が浮上して、こちらは結構バタバタしてておもしろいです。
しかし、前田敦子は堪え性がなくすぐにグズるキャラがよくはまってます。すぐにイラッとした声をあげるんですよね。
見てるこっちも「え、もうキレんの?」って感じで結構戸惑います。でも、リアルかも。
居ますよね、わがままに育って沸点が低い人(長女とか長男に多い)。
そんなキャラをよく体現できています。
母親の黒木瞳は教職をあきらめ、花屋の正社員に。
最初は正社員採用の話を断りますが(ずっと教師をしてきたので、その道が諦められないという理由で)、仕方ない、これも新しい道かという心境に至り、花屋の正社員になります。
このあたりの心境の変化があまりよく描かれておらず、「え、いいの? もう諦めんの? 十数年とか数十年やってきた仕事でしょ?」って感じで視聴者は置いてきぼりに。
来週は最終回、話をまとめるために強引な展開が目立ってきています。
とゆーことで、今週のあらすじ。
三浦友和がセクハラで会社を追われたということがバレ(木村多江がバラした)、妻、黒木瞳は憤慨。
友和は家を出て、新居で暮らすようになり、夫婦の溝はどんどん広がっていきます。
二人のことを心配した娘、前田敦子が彼氏を家に招待し、家族関係の修復を図ろうとしますが、これも失敗。
友和と瞳の夫婦の仲はどんどん冷え込んでいきます。
そんななか息子の工藤阿須賀は内々定をゲット。
しかし、名古屋勤務になる可能性が高く、新居で家族そろって生活するというプランは実現不可能となってしまいます。
また、黒木瞳はバイト先の花屋から正社員にならないかと打診されます。教職を諦められないといったんは断る黒木瞳ですが、考えを改め、正社員となります。
家族それぞれが岐路に立っていることを意識した黒木瞳は、夫、三浦友和との離婚を考えるようになります。
一方、三浦友和は辞めた会社の社長に呼び出され会社に行くと、そこには木村多江も居ます。
社長は木村多江にセクハラ騒動が捏造であったことを聞き、友和を再び会社に呼び戻そうとします。
しかも、そのポストは海外子会社の社長。喜ぶ木村多江の前で、戸惑うばかりの友和なのでありました・・・つづく。
こんな感じで、ラストに友和に対する大逆転人事が発令されて終了。
なんか冷めるでしょ?
上場企業の社長が、こんなにあっさり謝るはずはない。
すごい競争を勝ち抜いて大企業の社長になるような人間は、反省というものは基本的にしません。
もし、するとしたらそれは自分の人事権を握っている相手に対してだけです。
下の者に頭を下げるなんてあり得ません。
黒でもいったん白といったら、白とシラを切りとおすような人間でなければ、企業のトップには立てません。
良くも悪くもそーゆー人間がトップを極めます。
そこまで極端な・・・と思うかもしれませんが、大企業の社長の中であそこまでお人好しな人(ある意味まともな人)、もし居たとしてもごくごく少数です。
それぐらい上へ上へと昇っていく人間は反省がない&謝らない。そーゆーもんです。
会社としても、いったんは追い出した人間を簡単に高いポストで戻すことはできません(それ相応の理由が必要になる)。
こんなに思い切った人事を物語の中で使いたかったら、せめて会社の業種をネット系にするとか、広告系にするとかしないと、鉄鋼系でこれはないでしょう。
木村多江がなぜこんなに短期間で改心したのか(単にアップダウンが激しいだけなのかも)、そんな疑問も一気に吹き飛ぶほどの滅茶苦茶な人事が発動し、全く物語に集中できなくなってしまいましたが、来週はなんとかうまくまとめられるのでしょうか。
息子は名古屋、娘は結婚して東京、夫婦は海外、そんな図式がちらちらと見え隠れしていますが、来週の最終回で確認したいと思います。