忠臣蔵の恋 家宣(平山浩行)を喪い、将軍となった息子と引き離され、月光院(武井咲)がプチ燃え尽き症候群に
女同士の戦いは前回までで終了。最終回である今回は、左京の方から月光院になる武井咲の心情が丁寧に描かれていきます。
武井咲は普段は声が高く、キャンキャンしたイメージが強いのですが、今回はだいぶトーンを抑えてしっかりとした演技をしています。
しかし、声が細いというか、一本筋が通ってない感じなのが残念。
時代劇はちょっと独特な節まわしみたいなものもあると思うのですが、そういった場面でいまいちドスがききません。
それでも一見静かでありながらも芯の強い左京の方(のちの月光院)のイメージはよく体現できています。
ということで、今週のあらすじです。
6代将軍家宣(平山浩行)に「何かほしいものはないか?」と聞かれ、左京の方(武井咲)は浅野家の再興を望み、その願いはかなえられます。
二人の息子、鍋松は順調に育ちますが、やがて家宣が床に伏します。
家宣は鍋松ではなく、ほかのものを時期将軍にと考えますが、家臣たちの反対にあいます。
鍋松と左京の方を呼び出した家宣は、鍋松を時期将軍にすることにしたと二人に告げます。
そして、左京の方にまた昔のように二人で話をしようと言いますが、そのときは訪れず家宣は亡くなってしまいます。
鍋松は家臣たちのサポートの元、4歳にして7代将軍家継となり、左京の方とは引き離されます。
家宣を喪い、息子を取り上げられた左京の方は、髪をおろし月光院と改めます。
将軍の母となり、頂点を極めた月光院ですが、いいようのない寂しさと虚しさに襲われます。
そんな月光院を浅野家の元奥方(田中麗奈)と叔母(三田佳子)が尋ねてきます。
無気力になっている月光院に対し、二人は「息子である家継のために生きていかなければならない」と諭します。
ある日、月光院が琴をひいていると、家継が遊びにやってきます。
母を前に固まる家継。
月光院はそんな家継を呼び寄せ、抱き寄せてから「強く生きろ、私もあなたのために生きる」と告げます。
ラストは感動的でしたね。
まさか武井咲で泣くとは思いませんでした。
NHKのドラマ制作の力はすごい。
大河もやっているし、時代劇はNHKの得意技ということはわかりますが、このドラマもよくまとまっています(数回、それも大奥編しか見てないけど)。
将軍の母となった月光院と出世を果たした江島(清水美沙)が「頂点を極めたけど、なんか寂しいですね」といった会話をするシーンも、派手さはありませんでしたが、ぐっとくるものがありました。
武井咲が穏やかに言った「私のお慕いするかたはのうなって(死んで)しまう」というセリフが印象的でした。
大人が楽しんで見られるドラマになっていました。
時間も長すぎず、内容もバランスよくまとまっていた忠臣蔵の恋。
NHKのドラマ作りの力をまざまざと感じさせられた良作でした。