いい年なのにテレビっ子!

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逃げ恥 働いていても家事をしてないことに負い目を感じる女性の苦しみ

最終回では、みくり(新垣結衣)が仕事をもち、家のことがおざなりになっていきます。

ヒラマサ(星野源)はそのことに不満を持ちますが、リストラ後でマネーパワー(稼ぐ力)が弱っている(弱っていく予定)ので、その状態を仕方なしと受け入れ、家事に参加するように。

しかし、みくりが期待するほどにヒラマサは家事をこなすことができず(ごはんを炊き忘れたり)、二人の間はぎくしゃくとしてしまい・・・という話。

最終回にまさかこんな理詰めな展開になるとは。

ただただラブラブのあま~い展開になっていくだろうと思っていたのですが。

ラストは甘かったけどね。

家事分担について二人が話し合ったり、不満をぶつけあったりするシーンが多く、その内容も理屈っぽく硬かった(理路整然とはしてたけど)ので、最終回がこれ? って思っちゃいました。

最終回には期待がかかりすぎるというのはあるのですが、それにしても普通の回のときのテイストのほうが好きだったな。

でも視聴率はすごく良かったようですね。20%超えたとか。

録画視聴率も合わせたら35%は超えてそうですね。

総合視聴率はひょっとしてドクターXの最終回よりいいかもしれません。

そんなふうにたくさんの人が見たであろう最終回ですが、なんかしっくりきませんでした。

家事分担についての問題って多くの家庭の問題だし、地味だけどリアルだし、大事なので取り上げたいのはわかるんですが、ドラマでやるとどうも見どころに欠けるし、踏み込みにも欠けてしまう。

朝まで生テレビとかでやったほうがいいんじゃんって思ってしまう。

みくりはヒラマサがちゃんと家事をこなせなかったり、以前と変わらない水準の家事を自分に求めることが苦しくなっていきますが、その根本の原因は自分自身がどこかで「仕事はもっていてもやっぱり家事は女がやるもの」という呪縛にとらわれているからだと思います。

自分も仕事をもてば(お金を稼げば)、家事をできてない言い訳ができるだろう、分担してもらってあたりまえという状態になるだろうと思っていても、この呪縛からは逃れられません。

だからモヤモヤいらいらしてしまう。

家事を自分ほどにこなせない同居人(旦那)を責めることも苦しくなっていくし、そんな自分が嫌になっていくのです。

これって何百年にも渡って日本人のDNAにすりこまれている悪い習慣というか、呪縛ですよね。

男も女も変わらないといけないという意識はあっても、この考えをベースにもっている。

男女が平等に家事とか、イクメンとか、ノー残業(これはちょっと畑違いですが)とか、結局ぜ~ったいに日本に浸透しないんだろうなと今回の放送を見ていて思いました。

話し合いで解消といったレベルではなく、日本人の考え方に深くすりこまれているものを変えていかないと問題解決しないものなので。

ドラマでは家事問題でぎくしゃくして空いた二人の距離を、人間的に成長したヒラマサが取り除きます。

みくりとの恋愛を通じてヒラマサは大人になったんですね。

さて、いろんなことを論理的に解消していきたいみくりは、今回もそんな自分を小賢しい女と自己嫌悪に陥ります。

しかし、ラストではヒラマサはみくりをそんなふうに感じたことはないと告げ、みくりの不安も取り除きます。

最終回だけみると、ヒラマサが結構大人で、みくりがグダグダな感じにみえました。

これまでと逆の流れで終了していきましたね。

一方、百合ちゃん(石田ゆり子)と大谷亮平のカップルですが、百合は相手を納得して遠ざけるために自分の健康診断の結果を突きつけます。

このやり方に「仕事」を感じました。

行動がキャリアウーマンですね。

普通はこんな「試し行動」をしたら、男女の仲は完全に終わります。

健康診断の結果を見て怖気づいたり、正気に戻って年の差を実感したり(それが狙いで見せているのですが)、はたまた「そんなに拒否されてるのか、遠ざけたいのか」と怒ったり。

とにかく、これでは完全に仲が終わってしまいます。

ドラマだから、外野に応援(?)されてくっつきましたけど、百合がず~っと彼氏ができなかったのも(仕事をするかのように)論理的に動きすぎるからだと思いました。

あまりにも気持ちの部分に欠けている。

二人がくっついて、その点は満足でしたけど、すぐに壊れそうな危うさを含んでいますよね、この二人。

意外だったのは、古田新太のラインの相手が百合ではなく、百合のゲイの部下だったこと。

あのどんでん返しはないやろ~って思いました。

面白かったですけどね。

あと神社のシーンで藤井隆の奥さん(乙葉)が妻役で出てましたね。

この方、久々に見ました。

藤井さんと並ぶと、夫婦って感じが自然に出てましたね。

子供との絡みもさすがにうまい。

実生活も幸せそうなお二人でうらやましいです。

いきなりですが、織田裕二と鈴木保奈美の東京ラブストーリーって覚えてます?

「かーんち、〇ックスしよ」って、あれです。

あーゆー80年代ドラマを見て育ったので、どうしても逃げ恥の最終回みたいな男女の溝や距離を理詰めで解消していこうってのに慣れません。

実生活では必要なことだとは思いますが、ドラマでやらんでも・・・と思ってしまうのは、時代遅れなのかな。

もっと感覚的なものを優先したら? それが許されるのは男女の間だけじゃないの? って思ってしまう。

たとえば男が出かけるときにゴミ出しを忘れても、「でも昨日の夜、いい仕事してくれたし、ま、いっか」と女がにやついて許すのも男女の仲の良さ、曖昧さだと思うのですが・・・

ま、こんなことばっかいってたらだめんずが増えるんでしょう。

難しいです、男女の仲でどこまで慣れ合いや甘えを許すのかって。

でも会議みたいに男女で話合うってのも色気に欠けるんですよね・・・っていうふうに考えがループしてしまいます。

こんなふうに、いろいろ考えさせられたという人も多かったのでは。

そーゆーふうにみてみると、逃げ恥の最終回はとても奥深い内容だったのかもしれません。